
オリエンタル.ハイブリッド.リリーは、日本や中国など東アジア原産のヤマユリやオニユリを元に、ヨーロッパの主にオランダで作出された一連の大輪系品種群の総称です。
日本では1980年台初頭に、先ず青山生花市場に出荷されました。
まだ品種も少なく、花屋の間でも殆ど認知されていなかったので、出荷品名としては「オリエンタルハイブリッドリリー」、つまり、系統の名称が使われていました。個別の品種名(商品名)が表記されるようになったのは数年後です。値段が高い割には、花首が長くて暴れた葉姿、色もあまり冴えず、しかも、扱い慣れぬ大きさで手に余ったのを覚えています。
品種改良の末、最初にブレークしたのはスターギャザー。次に、ルレーブが人気となりました。このころから生産量も増え、他の市場にも出荷されるようになりました。
そして、今や高級花材の代名詞となったカサブランカの登場。この品種名は、いつの間にやら、一般消費者によってオリエンタル.ハイブリッド.リリー全てを表すブランドにまで祭り上げられてしまいました。
お客さんが店頭の例えばシーラ(ピンクのHBリリー)を指して、「これは、カサブランカか?」と訊きます。
嘘をつくわけにもいかず「違います」と答えれば、即座にきびすを返して店を出て行かれようとします。
「カサブランカ=大輪のユリ全般」もしくは「カサブランカ=白い大輪のユリ全般」という誤解が食い違いの元です。
お客さんを引き留めて説明するには、えらくエネルギーが要ります。これは昨今の花屋に共通した「悩み」です。